家のつくりを知ることは、リフォームを考える上で大切なことです。家のつくり・使われている建材・基礎の構造などは、家の築年数からある程度推測することができます。
過去の大きな地震被害の度に建築基準法が改正され、時代ごとに主流となる建材が変わってきました。
そのため、1981年の建築基準法の大改正より前の住宅は、耐震や断熱の性能がそれ以降の住宅と比べて不足しているケースが多いです。
1980年以前の木造住宅 (築30年以上) |
1981年~1999年の木造住宅 (築10年~築30年) |
2000年以降の木造住宅 (築10年未満) |
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屋 根 |
日本瓦・セメント瓦が多く使用されています。 | 石綿(アスベスト)を使用した化粧石綿スレートが一般化します。 | アスベストの健康被害問題により、アスベストを含まない化粧スレートが開発されます。瓦は、重く耐震性に不利という理由から採用が減っています。 |
外 壁 |
昔ながらの土壁や漆喰塗り、下地にコテ塗りなどが見られます。吹付けタイルなどを吹付け塗装仕上げも多くあります。 | セメントに繊維質を混ぜてつくる窯業系サイディングが多く使われ始めます。 | 左官仕上げなど湿式のものから、窯業系や金属系サイディングがさらに多く採用されています。 |
内壁 | 漆喰や繊維壁の左官仕上げが多く使われています。 | 左官仕上げが減り、壁紙が多く使用されています。 | シックハウス問題により、ホルムアルデヒドなど規制物質を含まない天然材や、化学物質を吸収分解する建材などが使用されはじめます。 |
耐 力 壁 |
建築基準法の制定後、地震や風に対して必要な耐力壁として「筋かい」が規定されていきます。並行して耐力壁としての土壁が減少していきます。 ※耐力壁とは |
1981年の「新耐震設計法」により、必要な耐力壁の量の基準が厳しくなります。 | 2000年の建築基準法改正で、耐震性向上のための壁配置のバランス計算が求められました。さらに品確法による耐震等級が示されたことで、建物全体を強くする傾向が進みます。耐力壁も無機質パネルなどの面材によるものが主流となりつつあります。 |
基 礎 |
コンクリートが使用され始めますが、鉄筋のないものが多く見られます。 | フーチング(底盤)付きの連続する布基礎が中心です。大半の場合、鉄筋が入れられています。 | 地盤の強さに応じた基礎形状とすることが規定され、事実上では地盤調査が義務化されています。 |
断 熱 |
壁・天井・床に断熱材が入っていないことが多いです。入っていても十分な断熱性あるものが使用されていることは少ないです。 | 1980年に気象条件で全国を5地域に分けた住宅の省エネルギー基準が制定され、壁・天井・床下に断熱材が施工され始めます。 | 1999年、住宅の断熱性の目安となる「次世代省エネルギー基準」が制定されました。全ての住宅に義務付けされてはいませんが、新築住宅分野で普及が進んでいます。 |
家の現状を把掘することは、効率的なリフォームを行う上で欠かせません。
家の内外の点検を定期的に行えば、不具合を早期に発見して修繕したり、材質や部位の劣化を見越して早めに対策をとることができます。
最も重要な点検ポイントは、建物の基礎・土台・外壁・屋根といった家の安全性・耐久性を左右する箇所です。
例えば以下のような点検を行います。
屋根・天井裏・床下などは、点検に危険が伴うため現状を簡単に把握できない箇所は、
専門業者に依頼し調査・点検を行います。
住宅のリフォームは、おおよそ5つのタイプに分けられます。
行おうとしているリフォームのタイプを知ることで、必要な費用や準備、リフォーム完了までの期間を推察できます。また、あらかじめ予算が決まっていれば、その範囲でどんなリフォームができるか把握できます。
ポイントリフォーム |
部位ごとに個々に行うリフォームはポイントリフォームと呼ばれます。リフォームする箇所のポイントを絞り大きなコストをかけずに行うリフォームです。 例としては、給湯器やキッチンなど水廻りの設備機器交換、屋根や外壁の塗り替えや補修、汚れた内装の張替えなど、経年劣化で傷んだ部分の交換・補修が挙げられます。 その他、バリアフリーのための手すりの設置、床の段差解消、床暖房の新設や、窓断熱などの温熱リフォームも、個々にポイントリフォームとして行うことがあります。 |
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増築・減築 | 住まいが手狭になったときに、建物を広げるのが増築です。反対に、広すぎる家の一部を取り去るのが減築です。どちらも建物の構造への配慮・技術的な工夫が必要なリフォームです。 |
スケルトンリフォーム |
住宅の間取りまで変更する大規模な改造を行うのがスケルトンリフォームです。 骨組みがあらわれるまで床・壁・天井の大部分を解体した後に、それらを新しくつくり直します。補強しながら骨組みや耐力壁の変更を行う場合もあります。 |
中古住宅購入後のリフォーム | 新築に比べて割安な中古住宅を購入し、残りの資金でリフォームを行います。ポイントリフォーム・スケルトンリフォームなど目的と資金にあわせて行い、注文住宅のような住まいを手に入れられる可能性もあります。 |
マンションリフォーム | マンションは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が多く、木造住宅と異なり骨組と仕上げが明確に区別できることからスケルトンリフォームの行いやすいつくりです。その反面、隣家と隣接している、動かせない共用配管がある、工事に共用部分(マンション玄関など)の使用が欠かせないなど、特有の事情があり、それらに配所したリフォーム計画が必要です。 |
屋根のメンテナンスや傷んだときの修繕・リフォームを怠ると、住まいの寿命や安全性に影響します。
屋根のリフォームには5種類あります。傷んだ屋根から雨漏りが発生すると建物の構造材などの劣化を引き起こす可能性があります。
軽微な修繕 | 屋根自体はそのままに、雨漏りや雨どいの補修・交換などの軽微な修繕 |
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屋根材をはずして調整する | 屋根材にズレや浮きが生じた場合や、下地のみの交換が必要な場合 |
屋根材に塗装する | 屋根材を定期的に塗り替えることで、耐候性を維持する |
葺き替え | 既存の屋根材が劣化してしまい、新規材料での葺き替えが必要な場合。既存の材料をはがさずに、上から新規材料を被せるカバー工法もある。 |
屋根の架け替え | 増築する場合や、太陽光発電を効率よく発電する勾配を得るためなど。 |
屋根材は、気温・風雨・紫外線などの自然環境に耐えられるものが使われます。
また屋根材は、外観にも影響を与えるので、リフォームする際は価格・耐久性と併せてデザインの検討も行いましょう。
スレート |
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金属屋根材 |
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瓦 |
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屋根のリフォームを行う場合、外壁の周囲に足場を設置して工事を行うことが多いため仮設足場費用がかかります。屋根が急勾配の場合は足場費用も割高となります。
建物と隣地までの距離が近い場合、足場掛けや工事中のにおい・音で、隣家へ迷惑をかけることもありますので、リフォーム前に近隣への説明が必要です。
外壁の傷みは住まいの耐久性や安全性に影響します。外壁をリフォームする際は、素材や工法の特徴を知って適切な外壁材を選びましょう。 外壁のリフォームは施工方法により、乾式工法と湿式工法に大別されます。
乾式工法は、サイディング張りや板張りなど板状の材料を、釘で壁に留めつける方法です。サイディングは施工性が高く工期が短いことから、多くの住宅で採用されています。湿式工法の壁より軽いため建物に大きな負担をかけません。
乾式工法でよく使われる外装材には、窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、セラミック系サイディングがあります。また、サイディングよりは重装備になりますが、ALCパネルも乾式工法で用いられます。
材質 | 特徴 | |
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窯業系サイディング | セメントやけい酸カルシウムを原料に、繊維質材料を混ぜ成形硬化させたものを用いる |
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金属系サイディング | 表面の金属板と芯材に断熱材や遮音材を組み合わせたものを用いる |
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木質系サイディング | 無垢の木材や合板など、本質系材料の板を用いる |
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セラミック系 乾式サイディング |
粘土を焼成させたタイルを用いる |
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ALCパネル | 軽量気泡コンクリートに鉄筋を入れたものを用いる |
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湿式工法は、下地としてモルタルを塗り、その上に塗り壁したり、タイル・レンガ・石などを貼る工法です。
塗り壁 | モルタル下地に、珪藻土や樹脂塗料などの左官材を塗るか、塗料を吹き付けて仕上げます。サイディングと違って曲面への塗布も得意なことから、個性的な外観が実現できます。 |
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タイル・レンガ・石 | モルタル下地に、タイルやレンガ・石を貼って仕上げます。施工性を高めると同時に剥離を防止するため、接着剤や金具で固定する方式もあります。素材感あふれる外観となります。 |
工事を行うときには外壁の周囲に足場を設置する場合があるので、場所の考慮や近隣への説明をしなければなりません。また、工事は季節や天候に左右されます。
壁材の材料や性能、デザインだけではなく構造的な検討も必要になります。既存の下地や工法をリフォームすることもできます。湿式工法の下地を利用し、乾式工法にリフォームすることは容易に行えます。しかしその逆は下地づくりに手間がかかり、重量的にも建物に負担をかけるため検討が必要です。
内装材とは、建物内部の仕上げに使われる建材で、天井・壁・床材とその補足材のことを指します。部屋の見た目や印象を決めるだけでなく、居住性にも少なからず影響を与えます。内装材にはさまざまな素材があり、デザインや予算に合わせて選択できます
壁紙(クロス) |
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塗り壁 |
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塗料 |
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木材 |
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パネル化された壁材 |
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シックハウスとは、建材(特に内装材)に使われる化学物質により室内空気が汚染され、めまいや頭痛などの健康に被害を及ぼすことを言います。
内装材にはシックハウス対策として、建築基準法による制限が与えられています。建材・接着剤・塗料に含まれる化学物質(ホルムアルデヒドなど)の量が規制されています。
現在国内で流通する内装材の大半が、ホルムアルデヒドの放散量が極めて少ないことを表すF☆☆☆☆等級です。
ホルムアルデヒドだけでなく、トルエンやスチレンなど他の化学物質についても自主規制する動きがあり、商品を選択する際の目安になります。
リフォーム時には、現在の内装の状況や仕上げ材によって工事にかかる手間・費用が変わりますが、内装の仕上げ材は新築時と同じ用に豊富に選べます。リフォーム後の仕上がりにこだわるなら、下地からつくり直すほうがコストはかかるものの綺麗に仕上がります。
床は、毎日の生活で必ず触れる部分なので、使用する素材には耐久性はもちろんのこと、快適さや見た目の美しさなど検討することは沢山あります。
床に使う材料には、耐久性・耐水性や質感・デザイン性など様々な性能・種類があります。床材は部屋の用途によって適するものが異なります。 また、床暖房を導入する場合は、床材が熱に対応できる製品かどうか確認する必要があります。
フローリング |
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畳 |
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カーペット |
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タイル・天然石・人造石 |
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リノリウム |
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クッションフロア |
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コルクタイル |
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床材はフローリングが人気です。無垢フローリングと複合フローリングの違いを理解して、適切なフローリングを選択します。
無垢フローリング |
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複合フローリング |
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床の使用頻度が高い場所では、年月による劣化・汚れ・きしみ・腐食・反りなどの不具合が起こります。
下地に合板が使用されている場合、年月が経つと接着剤がはがれてくる場合があり、床のたわみなどの原因になる例があります。
床をリフォームする場合は、仕上げ材だけでなく、床組や下地材の状況も確認する必要があります。
床暖房は室内の温度ムラが少なく快適な暖房です。リビングはもちろんキッチンやトイレ、洗面所などでも使えます。
床暖房は、まず床材に熱が伝わり、その床材が太陽熱のように熱線や赤外線を放射して部屋全体を暖めます。部屋の上下の温度ムラが少なく快適です。寝転んだり座ったときにも、心地よい温かさを感じられきます。
室内の空気を汚さないこと、放熱面は床下に隠れるので設置場所をとらないことも魅力です。
床暖房には、熱源の違いなどにより、いくつかの種類があります。
種類 | 特徴 | |
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ガス温水方式 | ガスボイラーで温水を作り循環させる。ボイラーは床暖房専用と給湯兼用の2種類がある。 |
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灯油温水式 | 熱源を灯油とした方式で、基本はガス温水方式と同じです。 |
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太陽熱利用温水式 | 屋根に載せた太陽熱温水器の温水を、貯湯槽兼熱交換器と組み合わせます。常時安定した温水を循環させる。天候に左右されるため、補助ヒーターが付いているタイプが多いです。 |
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ヒートポンプ温水式 | ヒートポンプで床暖房用のお湯を作る。床暖房専用型とエアコン兼用型、給湯兼用型の3種類がある。 |
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電熱線式・ PTCヒーター方式 |
床下や床材に設置した発熱体に通電し加温する。PTCヒーターはヒータ自体が発熱量を制御 |
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蓄熱式 | 夜間電力や太陽熱で得た熱を一度蓄熱材に蓄熱し、その放熱で床下の空気や床を直接加温。 |
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床暖房は、吹抜けや高天井など足元が暖まりにくい空間に最適です。水まわりの床に設置すると、冬の朝支度の辛さを解消できます。反面、温度の立上りが遅く、部屋が暖まるまでに時間がかかる、初期費用が高いなどの短所があります。
主暖房とするには部屋面積の60~70%以上に施工します。床下は熱が逃げないよう必ず断熱します。
家具を配置する箇所には、床暖房を施工しないようにします。床暖房の上に家具を置くと、そこだけ温度が上がり誤作動することがあります。また、家具が乾燥して変形する可能性もあります。
床材も工夫して選ぶことで、床暖房を効果的に使うことができます。
床暖房への対応 | |
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木材 | 熱処理された含水率5~8%の床暖房対応製品を使う。 |
カーペット類 | 毛足が8mm以下のものを使用する |
塩ビタイル | 加温時の伸縮が少なく、寸法安定性のよいものを選ぶ |
タイル・石材 | タイルや石材は熱効率がよく、蓄熱性もあるので適している。 |
その他 | 畳(厚さ12~27mm)やコルク(厚さ5~7mm)なども対応製品あり。 |
リフォームで床暖房を入れるには、今ある床の上に床暖房を載せる方法があります。
れには床暖房パネルと床材が一体のタイプと、別々のタイプがあります。
一体タイプ | 施工が簡単のため設置コストを抑えられますが、床材の選択肢が限られます。 |
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別々タイプ | 床材の選択肢が増えます。その代わり厚みが24mmほどになるため天井高が低くなります。 |
どちらの場合でも床の断熱性能を考慮する必要があります。断熱性能の低い建物の場合、熱が床下から逃げていくことがあります。これではなかなか室内が暖まりません。 床下空間にゆとりがあれば、床暖房パネルの設置と断熱工事を床下から行うこともできます。この場合は今ある床板をそのまま生かせるメリットもあります。
快適な住まいにするための第一歩は、断熱性を高めることです。
断熱とは、一方の熱を他方に伝わりにくくすることです。
屋根・外壁・床など、外気に接する部分には断熱材が施されており、外の暑さ・寒さを室内に伝えないようにしています。
断熱効果を高めるリフォームをした住まいでは室内の快適性が向上します。
断熱性の高い家は、室内に外気の熱(暑さ・寒さ)を伝わりにくくし、またエアコンなどで冷やした(または暖めた)室内の熱を外に逃がさないようにしています。そのためエアコンやストーブを使う時間が少なくなり、さらに冷暖房の効きがよくなることで、電気代などが節約できます。
熱は窓から多く出入りします。窓に使われる素材の断熱性が、壁などに比べて低いためです。
窓の断熱性を高めるには、サッシのガラスとアルミ枠の部分を改修します。
内窓の取付け | 室内側に新たなサッシを取り付ける方法です。今のサッシには手を加えずに窓枠もそのままなので、サッシ自体をリフォームできない集合住宅でも改修を行えます。 |
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ガラスのみ交換 | サッシのガラス部分のみ取り外し、断熱性の高い複層ガラスなどに交換します。 |
サッシごと交換 | 今ついているサッシごと交換する工事です。外壁にも工事が及ぶので大掛かりですが、サッシとガラスの両方を高性能のものに変えることができます。最近では、既存のサッシ枠を残し、そこに新しいサッシを付ける工法も登場しました。 |
キッチン用の機器や設備は、日々新しい機能が登場しています。
機器やデザイン選びに夢中になる前に、家の広さや調理スタイルに合うかどうか検討を重ねましょう。
キッチンは、主に以下の3タイプのつくりがあります。
置き型 | 流し台、ガス台、調理台などを並べただけのシンプル構成で、価格もリーズナブルです。ただ、それぞれの間に隙間ができるため掃除しにくいことが欠点です。 |
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システムキッチン |
置き型キッチンの欠点をカバーしているのがシステムキッチンです。ワークトップと呼ばれるひとつながりの大きな天板が特徴で、隙間ができず清潔に保てます。掃除も容易です。 材質や形状など様々な種類があるため、リーズナブルなものから高級なものまで、価格帯は幅広いです。 |
オリジナルキッチン | 限られた面積を有効に使いたい場合や、既成のシステムキッチンが入りにくい間取りの場合には、オリジナルにキッチンを設計してもらうほうが、システムキッチンをオーダーするより安い場合があります。材質やデザインなども自由に選べます。 |
I型、L型などキッチンのレイアウトによって、シンクとコンロの関係に違いが出ます。
ポピュラーなI型は、シンクとコンロが同一線上にあるためシンク付近にいても、コンロの様子をうかがえます。移動も左右の動きだけで済む利点があります。ただし、キッチンが長いと行き来する距離が伸びるため、使い勝手が悪くなります。
それに比べL型やコ型は、シンクとコンロの距離が近いため移動が楽です。ただしコーナー部分の収納に工夫が必要です。
コンロは熱源によって、ガスコンロとIHクッキングヒーターの2つに分かれます。それぞれに長短所があります。
ガスコンロ | IHクッキングヒーター | |
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火力 | 炎による加熱。火力は炎を見て調整する。大火力も可能。 | 電磁誘導による加熱。保温から湯沸し(高火力)まで段階をごとの火力調整が可能です。 |
操作性 | 火加減の自動調整機能、3口+グリルの同時使用可能など | 調理タイマー機能による自動OFFなど設定できる |
清掃性 | 従来に比べ、凹凸を最小限するなど掃除のしやすさが改善されている。 | 凹凸がないため掃除がしやすい。コンロを清潔に保てる。 |
安全機能 | 調理油加熱防止装置、立ち消え安全装置、コンロ・グリル消し忘れ消化装置、鍋なし検知機能、チャイルドロックなど | 切り忘れ防止・空焚き・鍋なし自動OFF、チャイルドロックなど |
その他 | トップカバー付ガスコンロであれば、油ハネを防ぐほか、使わないときには目隠しにもなる。 | オールメタル対応ヒーターであれば、アルミや銅鍋も使用可能。ラジエントヒーター付であれば、土鍋やアルミ鍋が使えるほか直火感覚での調理も可能。 |
壁や天井が、塗り壁やタイル・板張りでつくられた在来の浴室の場合、水が壁や床などに内部に侵入し、家の柱や土台を傷めているケースがあります。
ユニットバスは従来の浴室と比べて、以下のようなメリットがあります。
ユニットバスの浴槽や壁の素材は、FRP素材がほとんどですが、最近では、風合いのよい人工大理石浴槽や、断熱性を高めてお湯を冷めにくくした断熱浴槽も選べます。
また、滑りにくく水切れのよい床や、脱衣所との段差をなくすなどの浴室環境を考慮した商品も登場しています。
浴室暖房乾燥機は、従来の浴室内の換気扇が多機能になったようなものです、主に換気・暖房・乾燥・涼風の4つの機能があります。入浴前に浴室全体を暖めて体への負担を軽減したり、温風で衣類を乾燥させることができます。従来の浴室にも取り付けることはできますが、ユニットバスに比べ衣類乾燥時間がかかったり、浴室暖房があまり効かない場合があります。
性能を発揮するには、気密性と断熱性が高いユニットバスへの取り付けが推奨されています。
脱臭機能のついたトイレ、フタが自動開閉するトイレ、自動洗浄するトイレなど、新しい機能が付いた製品が次々と開発されています。省エネも考慮され、従来の半分程度の水量で便器洗浄が可能な節水タイプが登場しています。
トイレットペーパーなどのストック品や掃除用具などを、効率よくしまえる収納があると便利です。手洗器と合わせてキャビネットを設ける、吊戸棚を設置する、壁に埋め込むなどの方法があります。奥行きの浅いちょっとした棚板を一枚壁に設置すると、一輪挿しや小さな置物、本などが置けて、トイレの空間が和みます。
お年寄りの住まいに限らず、トイレは体調を崩したときでも利用しないわけにはいかない場所ですので、バリアフリー化は欠かせません。出入口は、開け閉めと体の移動に無理のない引戸が適しています。間取り上難しい場合は、引込み戸を用います。
手摺は便座から立ち上がったり、体の向きを変える時の助けになる位置に設けます。当面設置しない場合も位置を想定し、壁の補強をしておくとよいでしょう。
トイレのタンクに付属の手洗いは場所を取らずよいのですが、使い難いこともあります。最近では、1畳大のトイレにも設置できる小型の手洗器があります。
床は掃除のしやすさを優先します。木製ならしっかり塗装されているものを、床用ビニールシートやタイルなら目地の防汚性に気をつけます。 トイレ内の壁は下のほうが汚れやすいので、腰高から下の内装材を水拭きできる素材にする方法もあります。また、臭いを吸着・分解する壁素材もあり、塗気持ちのよいトイレになります。
腰掛け便器のほかに小便器を設置すると、立ち座りの困難なお年寄りにも便利です。ただ、掃除する便器がひとつ増えるわけですから、日々のメンテナンスも増えます。自動洗浄タイプの小便器を設置するという方法もあります。
注目されているエコ設備が太陽光発電システムです。大陽の光で発電でき住宅の電気として利用できます。発電時に二酸化炭素を排出しません。太陽光発電システムはリフォームでも簡単に導入できます。住宅内で使い切れずに余った電気は、電力会社に買い取ってもらうことができます。
設置時には、国や都道府県、市町村から補助金を受けることができます(実施していない市町村もあります)。ただし、補助金を受けとるための条件、予算上限額、募集期間に限りがあるので注意が必要です。
太陽光発電で余った電気は、電力会社に買い取ってもらうことができます。余剰電力の固定価格買取制度は、電力会社による余った電力の買取価格が、太陽光発電の導入時から10年間固定される制度です。買い取り価格は設置した年によって変化します。
太陽光発電を行う大陽電池モジュールは、瓦、スレート、金属など屋根材を問わず、ほとんどの屋根に設置できます。
同じモジュールでも、地域、季節や日照時間によって発電量が変わります。
また、屋根の方位や勾配によっても発電量は変化します。効率よく発電するには、南面の設置面積を大きく取るほうが有利です。東面や西面は、南面に比べて発電量が15%ほど低下します。
大陽光パネルの重量はそれほど重くはありませんが、建物の耐荷重について事前の調査をしたほうがよいでしょう。
太陽光パネルの設置面 | 南面 | 東・西面 | 北面 |
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発電効率 (南面を100%とする) | 100% | 83% | 66% |
太陽光発電でまかなえる電力量は、3kWシステムの場合で、年間に使用する電力量の55%程度とされています。導入コストは、安いとはいえませんが、補助金や余剰電力買取制度によって10年程度で回収できると試算されています。
日中は在宅がちで、常に電気を使用することが多いケースでは、電気代の節減につながらないこともあります。我が家のライフスタイルに関する検討も太陽光発電導入時には必要です。
太陽光発電を導入すると、発電量のほかシステムの運転状態や売り買いしている電気の量などが表示されるモニターが設置されます。住宅内の電力消費量も把握できるので、節電意識も高まります。
オール電化住宅は、キッチン・給湯・冷暖房など住まいで使う全てエネルギーを電気でまかなう住宅です。
キッチンにIHクッキングヒーターを、給湯にエコキュートを導入するオール電化住宅が定着してきました。
夜間のお得な電力料金プランを利用して光熱費を削減できるなど、様々なメリットがあります。
太陽光発電との組合せも有利です。電気料金が割高な昼間に、太陽光発電の電気を使用します。
IHクッキングヒーター導入時には、電気の分電盤に単独の200V回線を確保します。キッチンには通常の100Vコンセントとは異なる200V用のコンセントを設けます。このように、電気の配線方式の変更やコンセントの新設など、設置に付属する工事が必要となります
エコキュートの設置には、設置スペースの検討が必要となります。ヒートポンプはエアコンの室外機程度、貯湯タンクは半畳ほどのスペースを必要とします。また、ヒートポンプは深夜に稼動させるため、運転音や振動が隣家の迷惑とならないよう、設置場所に注意が必要です。
歳を取るに連れてバリアフリーの必要性が増してきます。 住み慣れた家でも、年を取り身体機能が低下すると、段差でつまづいたり、階段の上り下りが困難になります。その原因をリフォームで解消します、併せて介助のしやすい環境を整えることでもあります
(1) | 玄関・出入り口の幅は750mm以上。通路から直進できるなら650mm以上 |
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(2) | 玄関の土間と上がり框の高低差は180mm以内 |
(3) | 廊下の幅は750mm以上。車イスを考慮するなら850mm |
(4) | 床の見切りや建具の敷居などの段差は5mm以下 |
(5) | 階段の勾配は22/21以下が基本だが、6/7以下が望ましい |
(6) | 高さ1m以上の階段には手すりを設置する。(現行の建築基準法では義務付け) |
(7) | 浴室の出入り口は650mm以上で、浴室の短辺の内法寸法1,300mm以上 |
古い住宅の場合では、ドアと床との間に2~3cmの段差ができています。このわずかな段差につま先を取られ転倒することがあります。 応急処置としては、小さなスロープを設置します。段差そのものをなくすためには、段差のある箇所の建具を取り外したり、段差の高い部分にあわせて床を上げたりします。
脱衣所の床よりも浴室の床が10㎝ほど低い住宅がよくあります。
この段差はスロープでは解消するのは難しいので、専用の足付きスノコ床で、浴室の床を上げる方法があります。ただしこの方法は、水栓や浴槽高さとの関係に問題が出ることがあり、リフォーム前に確認が必要です。
また、最近のユニットバスは段差のないバリアフリー使用となっており、浴室ごと交換してしまう方法もあります。
車椅子で室内を移動することを想定するなら、廊下や通路の有効幅はできれば85㎝以上が理想です。
しかし、一般的な住宅の廊下幅では難しくいため、壁の一部を取り払うなどの改造を考えます。
玄関・門廻りの踏み石やちょっとした段差が、移動の妨げになることがあります。距離が取れるならスロープにつくり替えると、安全にスムーズに移動できます。
転倒の原因には、床の滑りによるものもあります。塗装されたフローリングはそのままでは滑りやすい場合があります。滑りにくく加工されたフローリングや畳・カーペットなど、滑りにくい素材も検討しましょう。
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